咳と睡眠障害の関係

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咳と睡眠障害の関係

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最終更新日:2025.08.06

咳と睡眠障害の関係:『夜間の咳』の原因と対処法

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夜の咳で眠れないあなたへ

夜間に繰り返し咳が出ると、睡眠障害をきたし、翌日以降の体力低下や集中力の低下を招きます。咳が止まらずに目が覚めるたびに、ストレスや不安が増大し、慢性的な睡眠障害へとつながることも少なくありません。

 今回は、『夜間の咳』の代表的な原因となる疾患を詳しく解説し、呼吸器専門医の視点から有効な対処法を紹介します。

『夜間の咳』の主な原因と疾患の詳細

  • 【原因】気道炎症
  • 【疾患・病態】咳喘息気管支喘息
  • 【特徴】
    気管・気管支などの下気道に炎症を来しており、夜間や早朝に咳が続きます。喀痰や喘鳴(ゼイゼイ・ヒューヒュー)を来すこともあります。吸入ステロイドや気管支拡張薬が有効。

  • 【原因】後鼻漏
  • 【疾患・病態】アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎
  • 【特徴】
    花粉やハウスダストによる鼻粘膜の炎症。後鼻漏で喉が刺激され、咳反射が亢進する。喀痰を伴う。抗アレルギー薬や抗生物質、去痰薬が有効。

  • 【原因】慢性閉塞性肺疾患
  • 【疾患・病態】COPD
  • 【特徴】
    喫煙や大気汚染による肺胞の破壊。夜間に咳・痰・息切れが悪化しやすい。風邪の後に咳・痰が長引きます。禁煙が重要。症状に応じて気管支拡張薬や吸入ステロイド薬、去痰薬による治療が効果的。

  • 【原因】胃食道逆流症
  • 【疾患・病態】GERD
  • 【特徴】
    喫煙や大気汚染による肺胞の破壊。夜間に咳・痰・息切れが悪化しやすい。風邪の後に咳・痰が長引きます。禁煙が重要。症状に応じて気管支拡張薬や吸入ステロイド薬、去痰薬による治療が効果的。

気道炎症(咳喘息・気管支喘息)

咳喘息気管支喘息は夜間咳嗽を来す重要な疾患です。気道が慢性的に炎症を来しており、感冒(コロナウィルスやインフルエンザウィルス、RSウィルスなどのウィルス感染)や花粉、寒暖差、梅雨や低気圧、エアコン冷気などで悪化することが特徴です。

吸入ステロイド薬および気管支拡張薬の併用で治療する必要があります。

咳喘息の詳細はこちら気管支喘息の詳細はこちら

後鼻漏(アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎)

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎では、鼻水や膿性の分泌物が喉の奥へ流れ込む「後鼻漏」によって咳が誘発されます。

症状は、くしゃみ、鼻づまり、透明あるいは粘着性のある鼻汁。後鼻漏で喉の違和感や咳などの症状を来します。症状が強い場合は、抗アレルギー薬や抗生物質、去痰薬での治療が必要となります。

胃食道逆流症(GERD

横になることで胃酸が食道へ逆流し、食道粘膜だけでなく咽頭や気道に刺激を与えます。夜間起こる胃酸逆流による咳嗽反射は睡眠障害を誘発し、慢性化しやすい点が特徴です。

症状としては、胸やけ、呑酸感、喉の焼けるような違和感があります。胃酸分泌を抑制する内服薬で治療を行います。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

COPDは、タバコの煙や大気汚染が原因で肺胞が破壊される疾患。ウィルス感染や細菌感染で悪化しやすく、咳や痰、息切れで睡眠が妨げられることがあります。肺炎や肺癌などの重篤な疾患、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)を併発・合併することも多く注意が必要です。

禁煙が非常に重要となります。症状に応じて気管支拡張薬や吸入ステロイド薬、去痰薬による治療が必要となります。

禁煙をせずに放置すると、将来的に在宅酸素療法が必要となる可能性があり、早期発見・早期禁煙・早期治療が重要です。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の詳細はこちら

『夜間の咳』への対処法

  • 【アレルゲン対策】
    寝具のこまめな洗濯・ダニ対策、ペットと寝室を分ける
    寝具や部屋の掃除を徹底し、ダニ対策シートや防ダニ製品を使用してアレルゲンを除去します。ペットと寝室を分ける、寝具を定期的に洗濯する、花粉飛散時期は外出時にマスクを付けるなど細かなケアが症状の軽減につながります。
  • 【寝る姿勢の工夫】
    胃食道逆流対策に上半身を高くする
    胃食道逆流が原因で咳が起きている場合は、寝るときに上半身を高くすることが有効です。枕を重ねたり、ベッドの頭側を少し持ち上げたりして、胃酸が食道へ逆流しにくくするだけでも咳が軽減することが期待できます。

  • 【定期的な服薬管理】
    医師の指示通りに吸入薬や内服薬を継続的に使用
    咳喘息や気管支喘息、COPDの場合は、定期的な吸入薬の継続が重要です。症状が良くなったからといって自己判断で中断すると再発・再燃や症状が悪化する可能性がありますので、医師の判断を仰いで頂くことが重要です。

呼吸器内科を受診するタイミング

『夜間の咳』が2週間以上続く場合や、2週間以内であっても日常生活に支障をきたす場合、咳以外の症状(痰、息苦しさ、ゼイゼイ・ヒューヒュー、発熱など)が出てくる場合は、早めに呼吸器専門医の診察を受けていただくことをお勧めします。

  • 詳細な問診・身体診察(聴診など)
  • 胸部レントゲン検査
  • 呼気中の一酸化窒素濃度測定(FeNO
  • 呼吸機能検査(スパイロメトリー)
  • 原因疾患に応じた薬物療法・生活指導(禁煙など)

夜間の咳についてよくあるご質問

夜間に咳がひどくなるのはなぜですか?

夜間、特に深夜から明け方にかけては副交感神経が優位になり、気道が収縮しやすくなります。交感神経(気道を拡げる働き)は日中に優位ですが、夜は働きが弱まり、気道が狭くなりやすい状態になります。また、夜間はコルチゾール(抗炎症ホルモン)の分泌が低下します。これらが夜間に咳が悪化する病態と考えられています。
また、胃食道逆流(GERD)がある場合は、横になることで胃酸が逆流し、咳を誘発します。

自宅で手軽にできる対策はありますか?

夜間の咳を緩和させるには、以下の対策が効果的です。

  • 枕を高くして胃酸の逆流を抑制
  • 布団や枕カバーを定期的に洗濯し、ダニやホコリを除去
  • 花粉飛散時期は外出時にマスクを着用する
  • 就寝前のカフェイン・アルコールを控える

どのタイミングで受診すべきでしょうか?

以下に当てはまる場合は、早めに呼吸器内科を受診しましょう。

  • 夜間の咳が2週間以上続く
  • 2週間以内であっても、喀痰や呼吸困難、ゼイゼイ・ヒュヒュー、発熱などを伴う
  • 咳喘息、気管支喘息、COPDなどの呼吸器疾患を指摘されたことがある
  • 胸やけや飲み込みづらさが強い

まとめ

咳は『身体の異常を知らせるメッセージ』です。『夜間の咳』で睡眠が妨げられている方は、呼吸器専門医による適切な診察を受けることで自分に合った対処法を知り、生活の質を向上させることが期待できます。

また、呼吸器内科で処方された薬は医師の指示どおりに継続していきましょう。吸入ステロイドや気管支拡張薬、必要に応じて内服薬を正しく使用することで、長期的に咳をコントロールし、睡眠の質を改善できます。

症状が気になる患者さまは早めの呼吸器専門医の診察を受けていただくことで、薬物治療のみならず生活習慣の見直しも含め両面からアプローチすることで、咳をコントロールしていきましょう。

【著者 / 医師名】南 和宏

資格
  • 医学博士
  • 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
  • 日本呼吸器外科学会 呼吸器外科専門医
  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 肺がんCT検診認定機構 肺がんCT検診医
  • 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 認定医
  • 難病指定医
  • 大阪市身体障害者福祉法指定医(呼吸機能障害)
  • 緩和ケア研修会終了
専門分野

呼吸器・アレルギー疾患

最終更新日:2025.08.06

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