蕁麻疹の原因・病型・治療法について|大阪市西区 みなみ堀江クリニック

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蕁麻疹(じんましん)

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最終更新日:2023.12.04

蕁麻疹(じんましん)について

蕁麻疹(じんましん)についてのイメージ画像

蕁麻疹(じんましん)とは

突然皮膚の一部が赤くはれて蚊に刺されたように盛り上がり(膨疹)、数時間~1日以内に跡形を残さず消えてしまうのが特徴の皮膚疾患です。多くの場合強いかゆみを伴います。

蕁麻疹の原因、病型

蕁麻疹の原因、病型には以下のようなものがあります。

特発性蕁麻疹

いわゆる原因不明の蕁麻疹で、突然症状が現れ、その場所が治まってもすぐにほかの場所で繰り返し皮疹が出現します。症状が持続する期間によって6週間以内で治まるものを急性蕁麻疹、6週間以上続くものを慢性蕁麻疹と言います。

蕁麻疹というと、まず食べ物や薬剤によるアレルギーを想起される方も多いですが、広島大学の報告では、実はこの明らかな誘因なく発症する原因不明の蕁麻疹が全体の7割以上を占めるとされています。

刺激誘発型蕁麻疹

以下に示すような特定の刺激が原因となって発症する蕁麻疹です。このタイプの蕁麻疹は通常刺激が加わって数分~2時間くらいのうちに症状が現れ、ほとんどの場合は長くて2~3時間以内に症状が治まります。

  1. アレルギー性の蕁麻疹

    食べ物や薬剤、植物、昆虫の毒素などに曝露されることによって発症する蕁麻疹です。

    原因物質を特定するための検査として、血液検査で特異的IgEを測定したり、プリックテストやスクラッチテストといった皮膚テストを行います。

  2. さらに診断を確定するためには疑わしい原因物質にあえて曝露させて症状が誘発されるかどうかを確認する負荷試験が必要となることもあります。

  3. 食物依存性運動誘発アナフィラキシー

    特定の食物摂取後2~3時間以内に運動負荷が加わることにより生じるアナフィラキシー反応です。

  4. 症状は痛み止めや総合感冒薬などに含まれる非ステロイド系消炎鎮痛剤により増悪しやすく、運動をしなくても、原因食物とこれらの薬剤摂取だけで症状が誘発されることもあります。

  5. 非アレルギー性の蕁麻疹

    原因物質への曝露によって生じますが、アレルギー機序を介さず発症する蕁麻疹で、上記のようなアレルギー検査では原因物質を特定することができません。アスピリンなどの鎮痛剤(アスピリン蕁麻疹)、造影剤の静脈注射や、サバ、タケノコなどの摂取により生じるものがあります。

  6. 物理性蕁麻疹

    皮膚表面をこする、圧迫する、寒冷刺激、日光曝露、温熱負荷、水との接触などにより生じる蕁麻疹です。

  7. コリン性蕁麻疹

    入浴、運動、精神的緊張など、発汗や発汗を促す刺激が加わったときに生じる通常蕁麻疹よりは少し小さなプツプツした皮疹です。かゆみを伴うことが多いですが、ピリピリした痛みこともあり、全身性無汗症を所伴うこともあります。

  8. 接触蕁麻疹

    皮膚、粘膜が特定の物質と接触することにより、接触部位一致して皮疹が出現します。

血管性浮腫

唇やまぶたが赤くはれ、かゆみがないことも多く、一度現れると2,3日続くことが多いのが特徴です。

まれに遺伝的原因(遺伝性血管性浮腫)によることがあります。喉の奥が腫れて窒息することがあるので、発作時の適切な対処が大切です。

治療法

原因・悪化因子除去・回避

問診や必要に応じて血液検査などを行い、原因の探索を行います。原因や悪化因子がはっきりした場合は、それらを避けることが重要です。

薬物療法

原因不明の特発性蕁麻疹では、抗ヒスタミン薬の内服が基本となります。症状に応じて内服量を調整したり、他剤を追加することもあります。

蕁麻疹ですべての原因を突き止めることは難しいですが、適切な薬剤を使うことで多くは症状のコントロールが可能です。

生活上の注意点

  • 飲酒や香辛料は悪化要因となることがあるため、注意しましょう。
  • 鎮痛薬の内服で症状が悪化することがあるので、注意しましょう。
  • できるだけ疲労、ストレスをためないようにしましょう。
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