帯状疱疹の原因
水痘・帯状疱疹ウィルスが原因です。子どものころなどに水痘(水ぼうそう)に罹患した後、このウィルスは神経節に潜伏し続け、加齢、ストレス、過労などによって免疫力が低下した時に、神経に沿って症状が出現します。
発生率
年間4.15/1000人で、80歳までに日本人の3人に1人が罹患するといわれています。
典型的な症状
通常、体の片側に感覚神経の分布に一致して、赤いぶつぶつや水ぶくれが帯状に配列します。
痛みを伴うことが多いですが、かゆみを伴うことや全く痛みやかゆみがない場合もあります。皮膚症状の前に痛みが先行することもあります。
顔に症状が出た場合は、眼合併症や、顔面神経麻痺、めまい、耳鳴りなどの耳鼻科的合併症を伴うこともあるため注意が必要です。
痛みは皮膚の症状がよくなっていくとともに軽減し、消失していくことが多いですが、皮膚症状がよくなっても、痛みが長期間(3か月以上)続くことがあり、帯状疱疹後神経痛とよびます。
帯状疱疹の治療法
抗ウィルス薬の飲み薬を1週間内服します。症状によっては入院で、点滴治療が必要な場合もあります。
痛みを伴っている場合は適宜痛み止めを使用します。痛みが激しい場合や痛みが残ってしまった場合には専門的な痛み止めの薬の調整や神経ブロックが必要となるため、ペインクリニックへ紹介させていただくこともあります。
生活上の注意点
- できるだけ安静にして、十分な睡眠と栄養を取りましょう。
- 患部を温めると痛みが楽になることが多いです。
- 水ぼうそうに対する免疫をもっている人にはうつりません。ただし、まだ水ぼうそうにかかっていない人や水痘ワクチン接種後でも十分に免疫がついていない場合には感染し、水ぼうそうを発症することがありますので注意しましょう。
- 眼の周囲に症状が出ている場合は眼科も受診してください。
- 顔面神経麻痺や耳鳴り、めまいが生じた場合には耳鼻科も受診してください。
- 陰部、お尻に発症した場合には尿がでにくい、便がでにくいなどの症状が出ることがあり、注意してください。
予防
発症予防や帯状疱疹後神経痛の予防には帯状疱疹ワクチンが有効です。